防水スプレーの使用上の注意・安全性への取り組みについて

防水スプレーについて

防水スプレーに使用されているフッ素樹脂は、多量に吸引すると呼吸困難などに陥ってしまう可能性があります。そうした危険を避けるための防水スプレーの安全な使用方法と、弊社の防水スプレーの安全性への取り組みについてご説明します。
【吸引事故のメカニズム】
防水スプレーの細かい粒子を多量に吸い込むと、撥水性のフッ素樹脂が肺胞に付着することにより、肺のガス交換に支障をきたして呼吸困難や肺炎が発生すると考えられています。

防水スプレーの使用上の注意

商品の裏面には使用方法、使用上の注意が記載されています。必ずよく読んでご使用ください。防水スプレーは下記の注意を守ることで安全にご使用いただけます。

  • ・屋内で使用しない

    屋内、特に狭い空間( 玄関・浴室など ) での大量使用は絶対に避け、風通しの良い屋外でご使用ください。

  • ・屋外では風向きに注意する

    屋外での使用時も急な風や風向きの変化に注意して使用してください。
    また、風下に人やペットがいないことを確認してから使用してください。

  • ・屋外での使用時もスプレーや対象物に顔を近づけない

  • ・一度に大量の使用を避ける

また、吸い込み防止のためマスクの着用をおすすめいたします。
以上の点を守り防水スプレーを安全に正しくご使用ください。

ジュエルの防水スプレーの安全性への取り組み

弊社の防水スプレーは、一般社団法人日本エアゾール協会が制定している「家庭用エアゾール防水スプレー製品等の安全性向上のための自主基準」に基づき、設計・製造しています。
「家庭用エアゾール防水スプレー製品等の安全性向上のための自主基準」では噴霧粒子径及び付着率の安全確認が定められており、その判定基準に当社製品は適合しております。また独自に急性経口毒性試験(呼吸器を経由して毒性を確認)を実施し、慎重に安全性を確認しております。

しかし「家庭用エアゾール防水スプレー製品等の安全性向上のための自主基準」に適合し、急性経口毒性試験で安全性を確認していても、使用法を守らずにフッ素樹脂を多量に吸い込んでしまうと、吸入事故の危険性があります。必ず使用方法を守ってご使用ください。

資料

■東京都における吸引事故事例

公益財団法人日本中毒情報センターへの相談事例(394件)、東京電力消防庁救急搬送事例(18件)より、東京都が把握した2015年~2019年の防水スプレー等の使用による吸入事故事例は412件ありました。2019年は屋内の使用事例が多く、屋外でも風向き等で吸い込む事故が起きており、また、把握できたうちの8割以上が、マスクを着用していなかった事例でした。

■東京都における防水スプレーによる事故事例

< 事故事例①>
原因製品:防水スプレー(衣類・布製品用)
状況  :ベランダでレインウェアに防水スプレーを使用する際、1 本程度を使用した。マスクはしておらず、使用中に風向きが変わったので、本人も向きを変えながら使用を続けた。
症状  :咳・息苦しさ・悪寒・発熱
処置  :安静・医療機関での解熱剤処方・外来受診数回
< 事故事例②>
原因製品:防水スプレー
状況  :玄関でドアを閉めたまま、傘3 ~ 4 本と靴1 足に10 ~ 15 分使用した。初めての使用で、使用前に使用説明を確認していなかった。喘息の既往がある。
症状  :咳・息苦しさ・悪寒・悪心
処置  :室内の換気・医療機関で吸入薬投与・1 ヶ月の入院

■ヒヤリハット事例

●玄関でドアを閉めて、換気せずに靴に使用し、噴霧を吸い込んだ。
●室内で窓を開け、換気扇を回しながら衣類に使用し、使用後に気分が悪くなった。
●屋外で吸い込まないように気をつけて何足かの靴に使用していたところ、急に風向きが変わり吸い込んだ。
●屋外でマスクを着用せず使用していて、ふいに風が吹いたため吸い込んだ。
●ベランダで使用したが、窓を開けていたため、網戸を通して室内に入ってしまい、室内にいた家族が吸い込んだ。