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スエードなどの起毛革のお手入れ

スエードは皮の繊維の太い部分を起毛した革です。シミになりやすいのでデリケートな革というイメージがありますが、実は物理的にはかなり頑丈です。適切な手入れをすると、意外なほどきれいな状態で長持ちします。


●スエードは防水が必須  ●履いたらブラシをかける  ●スエードの補色  ●スエードが汚れた場合
●スエードの中まで汚れが入った場合  ●毛が寝てしまったときのお手入れ  ●ヌバックのお手入れ

スエードは防水が必須
防水スプレーをかける

靴から25cmほど離して防水スプレーをかけます。
全体が均一に軽く湿るくらいスプレーして乾かします。これを3回ほど繰り返すと防水効果が高まります。


スエードの靴を履く場合、おろす前に必ず防水します。また日常的に防水をした状態で履くことを習慣にしてください。
スエードの革は表面に防護層を持たず、革の繊維が露出しています。そのため万一雨にさらされると、簡単に雨水と汚れが革の中に浸透してしまいます。そして一度中まで汚れが入ってしまうと、完全に除去するのは大変困難です。しかしよくしたもので、実はスエードは、様々な革の中でも防水スプレーの効きやすい革です。繊維が露出していて表面積の大きな構造が、防水スプレーのフッ素樹脂と相性が良いようです。

履いたらブラシをかける
毛を逆立てブラッシング

履いた後は、必ずスエード用のブラシをかけます。
まず毛足に逆らって毛を立てるようにブラッシングして、ホコリなどを取り去ります。

毛足を整える

次に毛を寝かせるようにブラッシングして、毛足を整えてやります。


スエードの手入れで一番大切なのがこのブラッシングです。スエードの風合いは毛足そのものですから、ブラシで毛足がととのえばスエードの風合いはよみがえるのです。
ブラシをかけないままスエード靴を履き続けると、しだいに毛が寝てきます。特に内側のこすれる部分は、まるで毛が抜けて禿げてしまったようになります。
ほんの少しの手間なので、スエード靴には是非ブラシをかけてあげてください。


スエード用ブラシについて

スエード用のブラシにも色々と種類があります。

スエード用ブラシ写真

それぞれ使い勝手が違いますが、基本は豚毛か柔らかいナイロン製のブラシということになると思います。金属製のワイヤーブラシはスエードに傷がついたときの修復に便利ですが、状態の良いスエードに使うとかえって傷つけてしまうことがあります。
おすすめは写真2のようなタイプです。ラバーの凸凹はヌバックも使用でき、こすれて寝てしまった毛を立てるのにも応用がききます。
写真3のような通常の靴用豚毛ブラシや馬毛ブラシも使用できます。スエードに使うものは、ホコリ取り用やクリームを磨きこむものと別に用意してください。特にブーツのようにブラシをかける面積が大きな靴の場合は、通常の靴ブラシの使い勝手の良さが実感できます。

スエードの補色
新聞紙などでカバー

多くのスエードの場合も、防水とブラシだけでは徐々に色があせてきます。そこで補色のために、スエードカラースプレー(旧:スエード靴用コンディショナー)を使用します。
スエードカラースプレーは、まず靴の中や周囲に色が着かないように新聞紙などでカバーしてやります。

コンディショナーをスプレー

靴よりもやや薄めの色のスエードカラースプレーを、全体に均一にスプレーします。

毛足を整える

乾かしてからブラシで毛足を整えます。

スエードが汚れた場合
こすって汚れを落とす

●表面の汚れ
防水が効いた状態なら、多くの汚れが革表面でとまります。ブラッシングで落ちない場合はスエード専用の汚れ落としを使用してください。

まず汚れた部分を消しゴムでていねいにこすり、汚れを落としていきます。

汚れとくずを払う

ブラシでラバーの汚れとくずを払います。

スエードの中まで汚れが入った場合
表面の泥汚れを払う

防水せずに雨水に当たってしまった場合など、汚れが革の中まで浸透してシミになっているケースでは、完全に汚れを取るのは困難です。スプレータイプのスエードクリーナーを使用し、シミを緩和して目立たなくする方法をご説明します。

まず、スエード用ブラシかきれいな靴ブラシで表面の泥汚れを払います。

スエードクリーナーを吹き付ける

スエードクリーナーを全体に均一に吹き付けます。

濡らしたタオルでふき取る

濡らしたきれいなタオルで、念入りにふき取ります。この時、汚れが染み込んだ部分は叩くようにしてやるとシミが取れやすいです。色の薄い靴の場合、クリーナー成分が革の中に残ると色が濃くなる場合があるので、ていねいによく落とします。

そして乾かしてからブラシで毛足を整えます。

毛が寝てしまったときのお手入れ

寝た毛スエード靴の場合、履いているうちにカカトなどこすれやすい部分の毛が寝てしまうことがあります。ちょっと見ると毛が抜けてしまったように感じますが、たいていの場合少し手入れをしてやると毛足が戻ります。

ブラシの頭部分を持つ

まず、ヌバック用のラバーパーツのあるブラシを用意して、ブラシの頭部分を持ちます。かなり力を入れるので、柄を持つとブラシが折れてしまうので注意してください。

毛を立てる

毛の寝ている部分にラバーパーツを当て、力いっぱいこすってください。スエードの毛は太い繊維で丈夫なので、柔らかいラバーパーツなら遠慮なくこすっても大丈夫です。

毛足を整える

毛が戻ったら、通常のブラッシングで毛足を整えてやります。

ヌバックのお手入れについて

ヌバックは一見スエードの毛足が短い革のように見えますが、皮の細い繊維の部分を起毛した革で、強度がまったく違います。非常にデリケートな革なので、取り扱いには若干注意が必要です。

※履く前に必ず防水スプレーを使用します。
スエード以上に雨水でできたシミがとれにくいので必ず防水しておきます。

※ブラッシングにはヌバック用の柔らかいラバーパーツを使用してください。
使用方法はスエードと同じです。

※消しゴムを使用するときは強くこすり過ぎないように注意してください。